単語を覚えても忘れてしまうなら、記録と復習の単位を変えてみましょう。単語と日本語訳だけでなく、出てきた文、その場面、自分が使いそうな一文も残します。
これでもう忘れない、という意味ではありません。「この単語は何という意味か」に加えて、「ここではどう使うのか」「次に何を言えるか」も復習する方法です。
単語を知っていることと、使えることの間には何がある?
refer が「指す」という意味だと知っていても、話すときに to を忘れるかもしれません。enjoy は知っていても、後ろに動詞を続ける形に迷うこともあります。
意味は、単語を知ることの一部です。使うには、何と組み合わせるか、文のどこに置くか、場面に合っているかも関係します。
たとえば、次の文です。
This word refers to a kind of bird. この単語は、ある種類の鳥を指します。
読むときは refers to を一つの表現として捉えます。別のことを説明するときも、refer 一語から毎回組み立て直すのではなく、This word refers to… を使ってみましょう。
「チャンク」で学ぶとは、このように語をまとまりで理解し、使うことです。短い句がすべて固定表現とは限りませんが、よく一緒に現れる語には、まとめて注意を向ける価値があります。
読書中、知らない単語をすべて単語帳に入れなくていい
1ページに知らない単語が十個あったら、どれが物語の理解を妨げるか、どれが繰り返し出るか、どれを近いうちに使いたいかを考えます。
人物が怒っている理由や次に起きた出来事は、確かめる価値があります。筋に影響しない植物の名前なら、ひとまず飛ばしてかまいません。珍しくても自分が特に好きな単語なら、残してもよいでしょう。
調べる優先順位は、理解の必要と自分の関心で決まります。すべてを必須課題にしてしまうと、読書が終わらない宿題の一覧になりがちです。
単語を記録するときに残す三つのもの
一つ目は、元の文です。次に見たとき、周囲の語との関係を確認できます。
二つ目は、短い場面のメモ。「デート前で登場人物が緊張している」のほうが、抽象的な語義だけより内容を思い出しやすいことがあります。日本語でかまいません。形式のために負担を増やさないようにします。
三つ目は、自分に関係のある一文です。たとえば、次の文を読んだとします。
She was nervous about the interview.
nervous about に注目して、こう書けます。
I'm nervous about tomorrow's presentation. 明日の発表のことで緊張しています。
発表の予定がないなら、本当の状況に変えてください。表現を覚えるために、自分と無関係なことを何度も練習する必要はありません。
例文の大部分は、すでに理解できるものが理想です。一語を学ぶために別の五語と複雑な節を説明する必要があるなら、もっと簡単な例文を探しましょう。元の場所も残し、余裕ができたら戻れます。
復習は、意味を認識するところから自力で思い出すところへ
最初は元の文を読み、直接理解できるか確認します。日本語で確かめる必要があれば確認し、そのあともう一度英文を読みます。
次に、目標の表現を隠し、ここでどう言うか思い出します。見ればわかることと、自分で取り出せることは違います。前者ができても、後者まで完成したと考えなくてかまいません。
最後に場面を変え、自分のことを一文で言います。「面接が不安」から「旅行が不安」に変えたら、組み合わせが引き続き自然かも確認します。迷ったら学習者向け辞書の用例や、人からの助言を頼りにしましょう。
しばらく間を空けて慣れ具合を確かめ、実際の忘れ方に合わせて復習します。すぐに慣れる表現もあれば、何度も認識して使う必要があるものもあります。
一度の単語調べを、一時間分の語彙授業にしない
一語に出会うと、すべての語義、語源、類義語、反義語まで調べたくなることがあります。情報が増える一方で、読みたかった内容は置き去りになります。
続けやすいのは、今の文での意味と組み合わせを確認したら、内容に戻る方法です。
広げるのは、具体的な表現の必要が生まれたときで十分です。今日の天気を書きたいのに good しか知らなければ、sunny や warm がどんな状況に合うか調べ、実際の天気に合う語を選びます。用途が明確なので、すぐ使えます。
同じように、二語に同じ「良い」という訳があっても、どの文でも置き換えられるとは限りません。新しい組み合わせには、例文と文脈の確認が必要です。
単語学習アプリは使ってもいい?
もちろんです。定期的な復習や自力で思い出す練習に役立つ道具は、引き続き使えます。ただし「英語を見て日本語を選ぶ」練習だけなら、音の認識、読解、表現の練習も補いましょう。
今日読んだ役立つ表現を復習に取り込み、復習した表現をまた実際の内容に戻してみてください。単語帳は思い出すきっかけを作り、読書や会話は使う場面を増やします。両者は組み合わせられます。
覚えた証明として、慣れた記録をすぐ消す必要もありません。今後参照するかどうかで決めましょう。一つの文がわかることは、その単語のすべての用法を知っていることとは違います。
今日できる小さな練習
読んでいる内容から表現を一つ選び、元の文を理解して、自分の文を書きます。翌日は答えを見ずに言ってみて、その後で確認します。
昨日 I'm looking for… を学んだなら、今日鍵を探すときに I'm looking for my keys と言えます。短くてかまいませんが、本当に伝えたい意味があるとよいでしょう。
単語帳を一冊覚え終わるまで、英語を使うのを待つ必要はありません。一語を本当の文の中で使うことは、今日できる一歩です。
調べる際の日本語への依存を減らしたい方は、英語で考える練習へ。



